2000年に堂本光一(KinKi Kids)(参照: インタビュー:堂本光一 & 中山優馬「Endless SHOCK」ラストイヤーへの意気込み)が初演して以来、20年以上にわたり日本舞台の頂点に君臨してきた『SHOCK』(参照: 公演レポート:堂本光一作・構成・演出・主演「ENDLESS SHOCK」)。今や一大文化現象とも言える存在である。堂本光一が主演だけでなく、作・構成・演出も兼ねて築き上げたこの舞台作品は、国内のみならず、国際的な舞台でも高い評価に値する。『SHOCK』がなぜこれほどまでに愛され、また世界にもっと広めるべきであるのか。その理由を5つの視点から紐解く。
『SHOCK』のアンサンブルの技術力は、日本の舞台芸術の最高峰といっても過言ではない。殺陣の技量が特に際立っており、アンサンブルだけでなくメインキャストも驚異的な動きを見せる。堂本光一をはじめ、役者たちが全身を使って繰り広げる戦の場面は、息を飲む迫力があり、観客を舞台の世界に引き込む。さらに、和太鼓を使ったパフォーマンスでは、圧倒的な情熱と気迫が劇場全体を震わせ、日本独自の美学と力強さが強烈に表現されている。
『SHOCK』を象徴するパフォーマンスのひとつに、「階段落ち」のシーンがある。堂本光一が血まみれになり、20段もの階段を転がり落ちる圧巻の演技は、まさに究極の迫真さを感じさせる場面である。また、彼が両腕の力だけを頼りに客席頭上を舞うなど、随所に散りばめられたフライングも見逃せない。堂本の肉体を張った演技は、観客に強烈な印象を残し、劇場全体に凄まじい緊張感が漂う。通常では見ることのできない、このリアルな演出が、物語の核心に迫り、観客にとって忘れがたい体験をもたらしている。
『SHOCK』の魅力の一つに、キャストが全身全霊で感情を表現する迫真の演技が挙げられる。ライバル役を務める上田竜也(KAT-TUN)は、舞台全体を通して激しい感情の波を見せ、観客の目を釘付けにする。彼の演じるタツヤは、喜怒哀楽が劇的に表現され、とりわけ狂ったように激怒する場面や、心が壊れたかのように泣き崩れるシーンは圧巻である。上田の表情や声色の変化が、物語に奥行きを加え、舞台に命を吹き込んでいる。
『SHOCK』は、その壮大なスケールでも観客を魅了する。ステージセットや衣装、演出技術に加え、出演者の数も群を抜いて多く、全ての要素が桁違いの規模で展開される。特に衣装は、華やかでありながら精緻にデザインされ、早替えの巧妙さにも驚かされる。瞬く間に変わる豪華な装置と多彩な演出は、見る者を飽きさせず、まるでラスベガスの壮大なショーのようなエンターテインメント性にあふれている。
『SHOCK』の舞台は、一瞬たりとも気を緩められない濃厚なシーンの連続である。とりわけ、ジャパネスクの場面は、一つのシーンでありながら独立したショーのような完成度を誇り、瞬きすら忘れるほど観客を魅了する。息をつかせぬ展開と、次々と繰り広げられる高度な技術の数々は、日本の舞台が世界に誇れるパフォーマンスであると断言できる。
堂本光一が作り上げた『Endless SHOCK』は、日本が誇る舞台芸術の集大成とも言える。舞台装置、演出、キャストの圧倒的な技術力により、日本の観客に深い感動と驚きを与え続けてきた。エンターテインメントの極限を体現するこの舞台は、海外でももっと評価されても良いのではないだろうか。
堂本光一主演で2000年より継続されてきた歴史ある舞台。今年は4月11日に帝国劇場で開幕し、堂本が作・構成・演出も務める。「SHOCK」のトータル公演回数は2100を超え、堂本は日本の同一演目単独主演舞台記録を保持。その高い人気から「日本で一番チケットが取れない舞台」とも言われている。同作の堂本主演公演は今年がラスト。最終舞台、帝国劇場11月公演のライバル役は上田竜也が演じている。4~5月(帝国劇場)と9月(博多座)は佐藤勝利(timelesz)、7~8月(梅田芸術劇場)は中山優馬(参照: インタビュー:堂本光一 & 中山優馬「Endless SHOCK」ラストイヤーへの意気込み)が務めた。
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ニューヨーク・ブロードウェイ。繁栄と衰退を繰り返すショービジネスの中心で頂点を目指し続けるエンターティナー、コウイチ(堂本光一)。彼が率いるカンパニーはオフ・ブロードウェイの小さな劇場だが、コウイチのショーは大盛況。カンパニーの誰もがコウイチと共にショーを続けたいと思っていた。ある日、コウイチのショーを絶賛する記事が新聞に掲載され、オン・ブロードウェイからオファーがあったことを告げられる。カンパニーの皆が喜び、コウイチと幼なじみのタツヤ(上田竜也)も夢を描くが、そのオファーは次第に二人に亀裂を生じさせる。そんな中、ある事件がコウイチの肉体と魂を分かつが、コウイチは“Show Must Go On!”の信念を持ち続けカンパニーを一つにしていく。
Photo Credit :[Ayaka Ozaki]
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