"ディズニー·レジェンド"、京本大我(SixTONES)、ブロードウェイ·スターがオーケストラと共にディズニーの名曲で東京の夜を彩る
2019年から3度目の開催となる「ディズニー·ブロードウェイ·ヒッツ」。今回は”ディズニー·レジェンド”で数々のディズニー楽曲の作曲家アラン·メンケン氏が参加。現役ブロードウェイ主役勢等、5名のブロードウェイ·スターも集結し、更に日本からは京本大我(SixTONES)が参戦。オーケストラと共にディズニーの名曲で東京の夜を彩った。
二部構成の本公演は、アラン氏のピアノ弾き語りで一幕目がスタート。一曲目に『アリ王子のお通り』(「アラジン」)を披露し、作詞を担当したハワード·アッシュマンの病室で作られた曲だと語った。続いて「リトル·マーメイド」、「美女と野獣」、「アラジン」等の名作中のヒット曲を、エピソードを交え次々に届けていった。「ポカホンタス」の『カラー·オブ·ザ·ウィンド』では、筆者の中でのディズニーの様々な思い出が蘇り思わず涙が。同様に泣いている観客も少なくはなかった。それぞれ、数えきれない程の思い入れが各々の楽曲があるのだろう。その作者が目の前で演奏しながら歌ってくれるのだから、涙を堪える方が難しいに違いない。
ブロードウェイ·オール·スターによる『ひとりぼっちの晩餐会』(「美女と野獣」)の熱狂的なパフォーマンスで第二幕は始まり、会場は興奮に包まれた。キシー·シモンズとジョシュ·ストリックランドの『美女と野獣』デュエットでは、ジョシュの美しい歌声が心に残った。その音色はまさにブロードウェイ主役級の証し。片やキシーは、『シャドウ·ランド』に置いて「ライオン·キング」のナラの力強くも切ない内面を、精到に表現した。セリフがなくとも、その情熱的な演技で感情が伝わってくるのが素晴らしい。『ストレンジャーズ·ライク·ミー』では、ジョシュの描写が驚異的だった。その声色と表現力によって、「ターザン」の彼がジャングルを駆け巡る情景が目に浮かぶ。同作、『ユール·ビー·イン·マイ·ハート』のアシュリー·ブラウンとジョシュのデュエットは、アシュリーのオペラ歌手のような伸びやかな声に魅了された。その後、アシュリーは『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』で、「メリー·ポピンズ」オリジナルキャストとしての実力を発揮。イギリス英語への切り替えも見事だった。歌声に聞き入る一方、その高い表現力によって、表情だけでも十分に物語を味わえる。
マイケル·ジェームス·スコットが『アンダー·ザ·シー』を歌う姿は、楽しさと愉快さに満ち、会場中が笑顔と手拍子で溢れた。一転、『パート·オブ·ユア·ワールド』を披露するカーラ·リゼイには涙した。彼女の全身から「リトル·マーメイド」の16歳のアリエルの切なさを痛切に感じた。同じく「ノートルダムの鐘」より『サムデイ』では、キシーが観客の涙を誘っていた。彼女の瞳の奥に宿るうるうるとした輝きが、演技力の深さを物語る。
ブロードウェイ·スターたちによる「ニュージーズ」ナンバーの大合唱は、それぞれ表現方法が異なるのにも関わらず、各々の伝え方が目覚ましい。同作の日本版ミュージカルの主演である京本大我氏(SixTONES)とジョシュの歌唱は、まるで1本の映画のクライマックスを目の前で観ているよう。京本氏があの若さでブロードウェイ俳優陣とステージに並ぶ姿には、感銘を受けた。
そして、ここからが最高潮。オールスターによる『レット·イット·ゴー~ありのままで~』は圧巻の豪華さで、その光景をただただ心に焼き付けたかった。声量、歌唱力、演技力、全てが最高レベルのアーティストの集大成。銀テープが舞い散る中、会場は拍手と歓声で揺れ幕を閉じた。
ディズニー界で神様と呼ばれるほどの巨匠、アラン·メンケン氏による各曲の誕生秘話を交えた生演奏·生歌。本場ブロードウェイでも稀有な機会と言える、ブロードウェイ主役級俳優が集結し繰り広げられる圧倒的なパフォーマンス。生オーケストラで奏でられるディズニー名曲の数々。なんと贅沢なコンサート。毎曲後に湧き上がる熱狂的な声援と拍手、観客の涙がこの素晴らしい公演の満足度を明確に示していた。ディズニー·ブロードウェイ·ヒッツは、極上のパフォーマンスと高い満足度で観客の心を魅了した。
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