Endless SHOCK:堂本光一(KinKi Kids)主演(参照: インタビュー:堂本光一 & 中山優馬「Endless SHOCK」ラストイヤーへの意気込み)で2000年より継続されてきた歴史ある舞台。今年は4月11日に帝国劇場で開幕し、堂本が作・構成・演出も務める。「SHOCK」のトータル公演回数は2000を超え、堂本は日本の同一演目単独主演舞台記録を保持。その高い人気から「日本で一番チケットが取れない舞台」とも言われている。同作の堂本主演公演は今年でラスト。主要キャラである今回のライバル役は4~5月(帝国劇場)と9月(博多座)公演を佐藤勝利(timelesz)、7~8月(梅田芸術劇場)を中山優馬(参照: インタビュー:堂本光一 & 中山優馬「Endless SHOCK」ラストイヤーへの意気込み)、11月(帝国劇場)を上田竜也(KAT-TUN)が演じる。
ニューヨーク・ブロードウェイ。繁栄と衰退を繰り返すショービジネスの中心で頂点を目指し続けるエンターティナー、コウイチ(堂本光一)。彼が率いるカンパニーはオフ・ブロードウェイの小さな劇場だが、コウイチのショーは大盛況。カンパニーの誰もがコウイチと共にショーを続けたいと思っていた。ある日、コウイチのショーを絶賛する記事が新聞に掲載され、オン・ブロードウェイからオファーがあったことを告げられる。カンパニーの皆が喜び、コウイチと幼なじみのユウマ(中山優馬)も夢を描くが、そのオファーは次第に二人に亀裂を生じさせる。そんな中、ある事件がコウイチの肉体と魂を分かつが、コウイチは“Show Must Go On!”の信念を持ち続けカンパニーを一つにしていく。
宝塚のように煌びやかな電飾に包まれた雛壇のセットからショーは始まる。ここはコウイチ率いるオフ・ブロードウェイの舞台。”Show must go on!”の精神を胸に、中央に立つコウイチが印象的だ。彼の王子様のような存在感と、フライングや空飛ぶ車の演出が観客を引き込む。序盤から壮大なスケールで展開されるショーは、まだ始まったばかりなのにという期待感を抱かせる。
オン·ブロードウェイからのオファーを機に勃発したユウマとコウイチの論争では、二人のシリアスな演技が光り、華やかなショーのシーンとのギャップに惹きつけられた。半年後、カンパニー悲願のオン·ブロードウェイに立つコウイチたち。その日の幕間、ユウマはコウイチと口論になり、二人の溝が一層深まってしまう。そんな中幕が開ける「ジャパネスク」のコーナー。和太鼓に雷鳴、男たちの雄叫びが響き渡る中で繰り広げられるコウイチ軍とユウマ軍の戦い。ステージを埋め尽くす剣士たちの覇気に溢れる殺陣は、息を呑む緊張感を生み出す。
不本意に繰り広げられるコウイチとの”真剣”勝負では、ユウマの狂気に圧倒された。それどころか、ユウマに首を切られたコウイチは、もがき苦しみながら20段もの階段を高速で転がり落ちた。ど肝を抜く演出と迫真のパフォーマンスの連続に言葉を失う。血まみれになりながらショーを続けるも、閉幕とともにコウイチは倒れてしまう。
生死を彷徨うコウイチが旅立つまでを描いた二幕。魂を失ったコウイチが、カンパニーの皆んなと最後のステージをやり遂げる様子を描いている。
真っ赤な布で覆われたステージに和太鼓の響きが加わり、フライング前の緊張感が走る場内。コウイチが自らの腕力だけを頼りに客席頭上を舞うシーンは、堂本のプロフェッショナリズムとエンターテイナーとしての余裕を感じさせる。ユウマとコウイチが太鼓の輪の中心で繰り広げる演奏は、舞台全体のエネルギーが凝縮された瞬間だ。
さらにコウイチは人力で支えられたステージ上の梯子を上り詰め飛び立ち、空中に設置された梯子から梯子へ飛び移る。ふとステージに目をやるとユウマを中心に、10人の男たちが和太鼓の熱演でコウイチを盛り上げていた。続けて番傘を片手に回転しながら宙を舞う。「これこそがクライマックスだろう」という頂点の連続で、一体どこまで期待値を上回るのかと驚きが絶えない。
舞台上に立派な桜の木が現れ、別れの時が訪れる。仲間を背にコウイチが微笑みを残し霧の中へと消えていく姿は、観客に深い感動を与えた。
「Endless SHOCK」は、フライング、殺陣、階段落ち、歌、ダンス、アクロバット、和太鼓、マジックなど多彩な要素が詰まった、圧倒的なエンターテイメントだ。演者同士の息の合った動きと、精緻な照明演出や舞台装置を駆使したステージの活用が舞台の完成度を一層高めている。衣装も繊細で、早替えのシーンも見事にこなされている。堂本光一のファンのみならず、彼を知らない人でも大満足できる作品であり、世界に通用する本物のエンターテイメントを観たという感動を抱かせる圧巻のステージだ。
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Photo Credit :[Ayaka Ozaki]
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