初のファンイベントでカバー曲9曲熱唱、食事までプロデュース!"この世界で自分の居場所を大事に、この時代だから出来る繋がり方をしたいしていきたい。"
亀梨和也:芸能人生25年を経て初の試みとなるファンイベント『Inside 23』を責任者として立ち上げた。今回の『experiment No.0』は”カバー曲の中で自分を表現する”を一つのテーマとしている。また、“ファンやスタッフと自分の想いで繋がる場所を持つ”という意思から、モノローグは自身の主演作『たったひとつの恋』の脚本家である北川悦吏子氏が担当。亀梨氏はKAT-TUNのメンバーで、音楽活動、俳優業、バラエティ番組、スポーツキャスターなどマルチに活躍している。ソロ曲やKAT-TUNの楽曲、本公演は海外でもストリーミングされ、その人気は国内に留まらない。最近ではYouTubeチャンネルも開設。三池崇史が監督の公開中の主演映画『怪物の木こり』ではシッチェス映画祭にも出席、1月には初の時代劇『大奥』(フジテレビ系)、4月にはテレ朝系連続ドラマ『Destiny』の出演も決まっており、益々目が離せない存在。
オープニング映像で亀梨氏のウェルカムメッセージが流れる。「これから始まる僕たちの実験室で何が生まれるのか?」に、ファンと彼が共に歩む新たな一歩への期待が高まる。
シャツにジャケット姿で登場した亀梨氏。カウンターチェアに腰掛け『キスして抱きしめて』(MISIA)でオープニングを飾った。ピンスポットのシンプルな照明が、時折囁くように歌う彼のパフォーマンスを引き立てる。歌に聴き入るのには最適な演出だ。最後の歌詞、「焼きつけたい」で一点を見つめ儚くも力強く締めた。
立ち上がり、哀愁たっぷりに歌い出したのは『Missing』(久保田利伸)。全身を使い世界観たっぷりに歌い上げる姿に、早くも引き込まれていく。
曲が終わり、ソファに座ると本を手に取り読み始めた。震えるその手から、亀梨氏の今回のイベントへの想いを察する。彼が読んでいたのはプロローグ映像のナレーションだった。映像内で画面の向こうの相手と無邪気に笑い燥ぐ亀梨氏。場面は一転し、ベッドで独り佇む。やけになった様にキッチンを散らかしたり、心が空っぽになったかのように空を見上げたり孤独を物語っている。ナレーションの亀梨は言った。「ある日、君はいなくなった。」
映像が開け、ステージ上のテーブルには一輪の真っ赤なダリアが。ジャケットを脱ぎ、カウンターチェアに腰をかけ白いシャツにスタンドマイクで『One more time, One more chance』(山崎まさよし)を歌い始めた。手からすり抜けるようにダリアを落としたり、拾って寄せ付けたり、小道具一つで魅せるスートーリーの描写が素晴らしい。その高い表現力から、プロローグの続きが頭の中でどんどん繰り広げられていく。
続いてドラマで親子として共演した玉置浩二の話を交え、玉置氏の『メロディー』を披露。ステージの端でしゃがみファンの目を見つめ歌ったり、前傾姿勢で力を振り絞るように届けた。
MCではジョークも交え、随時観客の笑いを誘いギャップを見せた。「皆んなのリアクションがあって成立する。一緒に作っていきたい。」と話し、配信を観ているファンのコメントも読んだりと、繋がりを大切にする姿勢が感じ取れる。また、「配信を観ている人にも食事や飲み物を配達したり、この時代だから出来る繋がり方をしたい。亀なんで、一歩一歩ゆっくりね。」と、今後の抱負も。
続く『milk tea』(清水翔太)では、少し笑みも見せながら、優しく語りかけ歌う姿が印象的。雪の結晶の照明を背景に立ち上がると、『白い恋人達』(桑田佳祐)を奏でた。切なそうに、でも力強く天を仰ぐ様に、そして振り絞る様に歌い上げる。
また、この日バンドで参加している山下穂尊氏がいきものがかり時代に携わった『月とあたしと冷蔵庫』を、デュエットで披露。互いの顔を見合ったり、リラックスした様子で届けた。
最後に、「年の瀬に大切な人を想ったり、人の温もりを感じられる楽曲をセレクトした。好きな曲で皆んなに届けたいメッセージ」と告げ、ゴスペラーズの『星屑の街』を歌った。
アンコールでは、亀梨和也を絞り切るかの様に、『Oh My Little Girl』(尾崎豊)を熱唱。震える顔や手から力強さが伝わると同時に、亀梨氏の想いの強さを感じる。最後は緊張がほぐれたかの様な笑顔も溢れていた。次回の『Inside 23 experiment No.B』を、自身の誕生日である2月23日に開催することを発表しステージを後にした。
亀梨氏の新たな一歩とした今回の『Inside 23』。ステージ上のパフォーマンスだけでなく、映像で魅せる演技にナレーションの表現力の高さは言うまでもない。会場で提供される料理にもこだわり、お気に入りのシャンパンを用意するなど亀梨和也が凝縮された2時間となった。芸能人生四半世紀を迎え、「今後もこの世界で自分の居場所を大事にしていきたい。」と話した亀梨氏。これからの彼がどんな活躍を見せてくれるのか期待したい。
Photo Credit: [N/A]
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