渡辺翔太と森本慎太郎が織り成す、圧巻のフライングと感動のステージ
舞台「DREAM BOYS」:壮大なフライングやアクションを織り交ぜた、夢見る少年たちのかけがえのない友情の物語。昨年に続き今年はSnow Manの渡辺翔太が主演、SixTONESの森本慎太郎がチャンプ役を、堂本光一が演出を務める。さらに総勢21名の少年忍者も加わり、10月9日に帝国劇場で開幕した。「DREAM BOYS」は2004年より20年間継続されおり、歴代の主演は亀梨和也(2004~2012年)、玉森裕太(2013~2018年)、岸優太(2019~2022年)、菊池風磨(2021·2022年)。2019年の公演からは、堂本光一が演出を担当している。
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舞台「DREAM BOYS」は、圧倒的な演技力と息を呑むようなフライング、アクションシーンが際立つ作品であった。渡辺翔太演じるショウタと、森本慎太郎が演じるシンタロウの対立と絆が物語の中心にあり、その2人が織り成すドラマは観客の感情を揺さぶった。
物語は美しくもどこか切ないコーラスで幕を開け、舞台に漂う幻想的な雰囲気に観客が引き込まれる。ショウタがリングを降りた理由をシンタロウに問われる冒頭のシーンから、2人のキャラクターが抱える葛藤がにじみ出る。渡辺が演じるショウタの悩みや影が、舞台の随所で丁寧に描かれており、彼の演技はその複雑な内面を見事に表現していた。
一方、シンタロウ役の森本は、チャンプとしての圧倒的な存在感を発揮。ショウタに対して「俺と試合しろ」と挑むシーンでは、その威厳と冷静さが強く感じられた。森本の堂々とした姿勢と鋭い眼差しが、シンタロウというキャラクターに説得力を与えている。
試合当日、ショウタのグローブは何者かによって鉛が仕込まれていた。シンタロウは倒れ、緊張感が一気に高まる。
マスコミに追われるショウタが悪夢にうなされる場面は、舞台装置が駆使されていた。その壮大な演出は、まるでショウタの内面世界が具現化されたかのようである。特に、渡辺が両腕の力だけを頼りにロープをよじ登り、振り落とされそうになりもがき苦しむシーンは、観客の視線を釘付けにした。そして彼が奈落へと落ちていく瞬間には、思わず息を呑むほどの緊迫感が漂った。
ナオ役の織山尚大も物語に重要なスパイスを加えていた。ナイフを手にした彼がショウタを襲うシーンでは、ナオの狂気が舞台全体を支配し、織山の迫真の演技に観客は引き込まれた。止めに入ったコウキ(川﨑皇輝)にナオが刺される場面では、緊張感と悲劇が交錯し、舞台上の空気が一瞬にして凍りついたような感覚に包まれた。
一幕のクライマックスでは、ショウタが弟コウキの命を救うために「何もかも引き受けてやろうじゃねぇか!」と叫び、真っ赤な布を握り締めて奈落へ飛び降りる。この瞬間、舞台上のすべてのエネルギーが一つに集約され、渡辺の力強い演技とともに観客の感情が爆発した。
二幕では、渡辺の美しい歌声と葛藤が際立つ『光』の歌唱から始まり、再び物語に引き込まれていく。ショウタが警察に追われ、ビルの屋上を駆け抜けるフライングのシーンでは、渡辺が身体能力を存分に発揮。宙吊り状態で壁を走り、前宙やバク宙を交えた華麗なスタントは、まるで映画の一幕を見ているかのような迫力であった。舞台全体が一つの巨大なアクションシークエンスと化し、観客は息をつく暇もないほどのスリルを体感した。
クライマックスに向かって、物語は急展開を迎える。シンタロウが死を迎えるシーンでは、彼の運命を悟った切なく穏やかな表情と、ショウタに対する本音が胸に迫り、涙を誘った。特に真実を知ったシンタロウが、ショウタを想い「勝て…!」と呟くシーンが胸を打つ。
総じて、今年の「DREAM BOYS」は、俳優たちの卓越した演技と身体表現によって、観客に深い感動を与える作品となっている。特に、渡辺が演じるショウタの葛藤が物語全体を牽引し、彼の繊細かつ力強い演技は舞台の中心で輝いていた。また、森本が演じるシンタロウの圧倒的な存在感と威厳は、ショウタとの対立と和解のドラマを一層引き立て、2人の関係性が観客に強い印象を与えた。さらに、川﨑や織山をはじめとする少年忍者のメンバーも、圧倒的なパフォーマンス力で物語にさらなる深みを加えている。
堂本の演出はフライングやアクションを巧みに取り入れ、舞台にダイナミズムを加えている。しかし、それらが物語の進行を損なうことはなく、絶妙なバランスで構成されていた点が印象的だった。
物語も、絆や友情といった普遍的なテーマを扱い、観客の心に深く訴えかけている。感動的なストーリー展開は、アクションや歌、ダンスと見事に融合し、作品全体が一体感を持つ舞台へと昇華されていた。役者たちの熱演に支えられたこの感動的な物語は、観客の心を揺さぶる、まさに見応えのある作品であった。
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Photo Credit :[Ayaka Ozaki]
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