アバンギャルディ:バブリーダンスの振付師、akane(参照:独占インタビュー:世界中で大バズり'アバンギャルディ'プロデューサーakane)氏プロデュースによる19名で結成されたダンスチーム。2022年に発足、2023年にはアメリカの有名オーディション番組『America’s Got Talent』でファイナリストに選ばれ、同年の『紅白歌合戦』にも出場した。"謎の制服おかっぱ集団”としてTikTokやInstagramで世界中から人気を集めている。また、1月20日より『アバンギャルディ1stワンマンライブ』を開催。こちらでは初日の大阪公演の様子をお届けする。
公演前、ステージではメンバーによるグッズ紹介や注意事項のオリジナル映像が。開演までもエンタメ精神を忘れない、プロデューサーakane氏の抜け目がなさを感じる。グッズを手に待つ満席の観客が、公演への期待値の高さを表していた。
真っ赤な照明がサイレンのように行き交う中、全員の激しいダンスで彩られるオープニング。一人ずつピンスポットライトの下で踊り、メンバー紹介が繰り広げられていった。1曲目『シンデレラ・ハネムーン』(岩崎宏美)、指先から目線まで揃った完璧な演舞。コミカルとシリアスな表情の使い分けが素晴らしい。生で観るアバンギャルディ特有の顔芸に、早くも観客から笑いと歓声が湧き起こっていた。
akane氏がダンス部のコーチとして活躍していた登美丘高校を「私立アバンギャルディ学園」として舞台にした、ドラマ『女王の教室』のパロディ映像が始まる。担任は”akane真矢”で生徒はアバンギャルディのメンバーだ。
映像が開け『Money, Money, Money』(ABBA)が流れる。『America’s Got Talent』決勝パフォーマンスを生で観られる感動で胸が高鳴った。あまりの気迫に「怖い」とさえ思ってしまう。akane氏の代表作、”バブリーダンス”の『ダンシング・ヒーロー』(荻野目洋子)に繋がり、なんとも贅沢なメドレー。曲中、一部のメンバーしかステージに出ない瞬間もあり、全員が揃った時の迫力が増す。19名もいる壇上で立ち位置を見ずにフォーメーションを自在に変え、完璧にシンクロさせる凄技。圧倒されて瞬きを忘れてしまう。
「私立アバンギャルディ学園」の続きの映像が流れ、水泳大会、運動会、文化祭が始まることが告げられる。水着姿で登場したメンバーによる、陸上版アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)が開催された。アバンギャルディを象徴する制服姿に比べ、体のラインがはっきりするのにも関わらず、角度から何まで見事に揃ったパフォーマンスに場内は拍手喝采。
ガロの『学生街の喫茶店』では、スクールバックを使ったパントマイムを交えた踊りを披露。歌詞に合った哀愁漂う表情が印象に残る。歌詞に合わせた振り付けが特に目立ったのは『あなただけ見つめてる』(大黒摩季)。圧巻のキレッキレダンスで観客を沸かせた。
アバンギャルディらしいコミカルなアレンジが含められた愉快なラジオ体操で、運動会のコーナーが始まった。メンバーの綱引き、観客参加型の大玉転がしなどで一体感が広がる。
また、文化祭のシーンではジャンボリミッキーやマツケンサンバなど、トレンディなネタを個人の出し物で披露し盛り上げた。最後はメンバーが出演するオリジナルカラオケビデオに合わせ、観客と『負けないで』を合唱。しっかりと笑いも取り、大阪出身グループの魂を見せつけた。
本編の締めは卒業式とし、斉藤由貴の『卒業』で魅せた。バレエ系のダンスの中にも、独特な振り付けにアバンギャルディらしさが垣間見える。
アンコール、紫のコスチュームに着替えた彼女らは『アイドル』(YOASOBI)で登場。先程までの笑いをとっていた様子とは大違い。イントロから溢れる覇気に鳥肌が止まらない。ギャップが凄い。最後の曲の前に、ファンに振り付けをレクチャーし、渡辺真知子の『かもめが翔んだ日』を会場全員で踊った。客席後方まで降り立ったメンバーの間近で観る顔芸に、観客から笑顔が溢れる。
結成から2年近く、既に世界中で大バズりしてるアバンギャルディ。映像では何度も観ていたが、実際に”体験”してみると迫力が桁違い。「あの曲も踊って欲しい。あの曲を観てみたい」と考えると、ワクワクが止まらない。日本の魂を詰め込んだダンスで、これからも世界で”ぶちかまして”欲しい。全国ツアー開催とファンクラブの設立も発表され、今後、益々飛躍していくのだろう。
Photo Credit :[N/A]
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